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システム計画を立案しないで要員が揃った時点から順次パッケージのサブシステムを導入するやり方では、概念的なデータ・モデルが食い違い全体の統合が失われてしまう。
ビジネスの現実を的確に捕らえるよう概念的なデータ・モデルを描き、関係者の認識が一致したあとでパッケージ導入に着手するなら、段階的導入であろうと、一斉導入(ビッグバン)であろうと、統合が失われる恐れがない。
パッケージ・ベンダーと営業員やブリ・セールスのコンサルタントと話していると、社内のBPRを実施してからパッケージのカスタマイズを行うより、パッケージの教育を受けてからどう業務を変えるかを考えたほうが早いという話を聞くことがある。
パッケージ・ベンダーは、契約完了後に導入作業がスムーズに進むようユーザ企業にプロジェクト体制をつくるよう要請するが、当初からパッケージ導入しか選択肢がなかった企業では、パッケージ・ベンダーの要請どおり、契約時点を導入作業のスタートと考え、そのタイミングに合わせて、プロジェクト体制をつくる可能性がある。
ここに重大な落とし穴がある。
A社では事前にシステム化構想の検討を行っていたために、システムに対して何を求めるかというコンセプトが明確になっていた。
A社は、ERPパッケージの導入を決める3年前から、新システムのシステム化構想の検討を行っていた。
しかし、当初からERPパッケージの導入を前提にしていたのではなかった。
A社がERPパッケージを採用することを決定するに至るには、いくつかの理由があった。
ホストの維持費よりC/Sの維持費の方が安くつく今では、この見解に対して全面的に賛成する企業はなくなっていると思われるが、クライアント/サーバー・システムの導入が流行となりつつあった当時、維持費の問題は大きな決定要因となった。
そこで、クライアント/サーバー・システムを前提としてパッケージの選択をすることになった。
グループ企業全体での使用が決定されたA社のパッケージ選択にあたり、大きな決定要因になったことの一つに、A社の属する企業グループ全体で、ERPパッケージを導入することが決定されたことがある。
システム化構想に対するカバー率が高かったA社が行ったパッケージ選定では、システム化構想に対するカバー率が高いということを重要視したパッケージ選択に際し、機能の多さを判断基準にする企業もあるが、A社では、現行業務に対し、パッケージがどれだけその機能をカバーしているか分析し、そのカバー率の高いパッケージを採用している。
すでに動くことがわかっているパッケージの導入を決めているのだから、業務分析やシステム化の計画を行う必要はないと思われるかもしれない。
しかし、あくまでソフトウェアは業務処理を行うための機能を提供するものであり、業務管理の基本的な考え方は事前に決定されていなければならない。
たとえば、見込み生産から受注生産に受注形態を変えるだとか、原価管理の方法を標準原価計算から活動基準原価計算に変えるとかいう問題をパッケージの導入作業の中で行うことは無理である。
システム化の計画はパッケージを導入しようと自社開発を行おうと必須の作業であり、その一選択肢としてパッケージがあるにすぎない。
プロジェクト開始の準備(プロジェクト・プランニング)@プロジェクト・ビジョン、プロジェクト目的/狙い、目標の事前設定性々にして、プロジェクト・ビジョンはお題目で終わるケースが多い。
そうなるとプロジェクトの目的は目的、ERPパッケージの機能に対する細かい不満は不満としてチームごとに交渉してくる輩がいる。
こうした、なし崩し的なビジョンの陳腐化を阻止するために、プロジェクトのスタート時点でプロジェクト・ビジョンを一枚の模造紙などに作成し、プロジェクト・ルームに常に貼り出しておくとよい。
何事も初志貫徹である。
さもないと、ERPパッケージは導入そのものが自己目的化する恐れもある。
情報システム部門が主導するプロジェクトはこの落とし穴にはまる危険性がある。
また、ERPパッケージの導入プロジェクトでは、経営革新、業務改革とERPパッケージとが三位一体にならなければ、ERPパッケージは活きてこない。
Aフィージビリティ・スタディ(導入診断)プロジェクト・プランニングにはフィージビリティ・スタディ(導入診断)を踏まえたほうがより具体的なプランを立案できる場合が多い。
経営方針や課題、および基幹業務の課題を確認しERPパッケージの適用範囲や、対象組織を特定する必要がある。
また、検討結果の全社経営計画への織り込みなどはプロジェクト予算化にとって重要な関門である。
この時点でパッケージの選定を実施するケースも多い(2)ERPパッケージ導入対象範囲の明確化導入範囲の特定はプロジェクト開始までに明確に完了させておく必要がある。
導入範囲や導入対象モジュールの範囲はプロジェクト体制に直接影響が出るばかりか、プロジェクト予算(経費)やプロジェクト期間にも多大な影響を与える。
したがって、プロジェクト推進の中心メンバーが、この問題を事前に検討する必要がある。
そのとき、プロジェクト目的や予算などとのバランスを考慮して決定すべきである。
ERPパッケージの適用対象部門として、企業全体もしくは部門を特定しつつ導入し、その後に適用する部門を拡大するケースが散見される。
また、連結対象となるグループ企業を含めて導入する企業や、海外の製造拠点や販売拠点をも含めて導入を検討する企業も出てきている。
したがって、導入プロジェクトの推進には関連する部門からもメンバーを選定する必要がある。
また別の観点では、業務プロセスごとにプロジェクト対象範囲か否かを明確化するそのうえでERPパッケージのどのモジュールを導入するかを決める。
ERPパッケージの導入には、会計モジュールのみを導入して実務で評価してから他のモジュールを導入するといった考えが多いようであるが、これは「ERPパッケージ」とただのパッケージを混同している考えで、事実上はERPパッケージを評価したことにならない。
統合して活用することで、初めて効果的な導入になる。
その一方、全部のモジュールを全部署に一気に導入するビッグバン・アプローチもある。
導入業者の技術水準にも依存するが功罪あい半ばといったところか?プロジェクト・スケジュールの明確化ERPパッケージを活用した全社改革プロジェクトであれば、短期間での開発と業務改革を目指すべきである。
システムに限定しても、フィージビリティ・スタディ、現状分析、プロトタイピング、基本設計、Add-on詳細設計、Add-on開発、システム・テスト、導入といったフェーズを経ていく必要がある。
PERTチャートなどを活用してプロジェクトの見積スケジュールを作成すべきである。
業務改革の実施パッケージ導入すなわちBPRだと思わないことERPパッケージを導入するとBPRができるといわれている。
しかし、パッケージを導入したからといって、業務が劇的に変わることはない。
確かにパッケージを導入することにより、パッケージがサポートする新しい経営管理手法や最新の情報技術を学び、時代遅れとなった業務のやり方を変えるという効果を期待することはできる。
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